【本】遺伝子はダメなあなたを愛してる/福岡伸一 の感想とか。
「最も役に立つ生物を挙げるとしたら何ですか?」「宇宙人って本当にいるんですか?」「ゴキブリは絶滅してほしいと思うのは間違いですか?」「モノを捨てるのが苦手です。“片づけられない女”は生物としてダメですか?」etc. 身近な疑問や人生のお悩みに生物学者の福岡先生が答えます。ユーモアあふれる文章で科学の知見に触れつつ、予想外の結論へ。心が軽くなり世界観も変わる、読むサプリメント。
(朝日新聞出版 公式サイトより)
【要は、コラム集】
この本は、週刊誌『AERA』にて連載中の
福岡伸一「ドリトル先生の憂鬱」というコラムをまとめたものであり、
本として最初から最後まで文章が続いているわけではありません。
『遺伝子はダメなあなたを愛してる』という
非常に手にとりやすく、
また「読みたい!」と思わせるタイトルですが
その中身はというと、
買う時に読みたいと思ったものとは随分違うもの。
また内容はあまり深いものではなく、
あくまで雑学レベルにとどまるものです。
家で読書の時間を設けてじっくり読むには
はっきり言って適していません。
ガタガタと足腰に来る振動に耐えながら本を読む電車通勤時には
これぐらいユルくてお手軽な方がいいのかもしれませんが。
【聞いていることと、書いていることが違う】
この記事の最初に載せた商品説明にて
「ユーモアあふれる文章で科学の知見に触れつつ、予想外の結論へ」
との記述がありましたが、
これはまさにその通りで、
ほぼすべてのコラムが上記の通りになっています。
問題は、
最後の「予想外の結論へ」という部分。
この本に収録されているコラムの多くは
「…は〜なのですか?」といった疑問文のタイトルが付けられており、
それに沿ってコラムが書かれています。
読者としての私は
てっきりその答えが文中にあるものと考えて読み進めるのですが、
その答えが何処にも見当たらないままコラムが終わってしまうことがあったり、
答えが書かれていても
関係のあるような無いようなお話がコラムの9割を占めていたりして、
「あれ? 何の話だっけ?」
となってしまうことが多かったりします。
【この本が向いている人と、向いていない人】
そういった意味で、
不完全燃焼感が多く残る本であり、
その辺に寛容になれない人には向いていません。
心が広く、
思ってたのと違う文章でも
「なんかちょっと賢くなれたような気がする」
と前向きに捉えられる人には
良い本となるかもしれません。
私は映画やゲームに関しては
評価の低いものでも自分なりに楽しんだりする人間ですが、
これが本になると途端に評価が厳しくなってしまう悪い癖があり、
この本に関しても個人的には、お金を出して買うことを推奨しないこととします。
先述の不完全燃焼感がどうにも我慢なりませんでしたので。
あ、でもあとがきの
働きアリのクダリは面白かったので
そこだけ立ち読み程度で済ませるのが良いかもしれません。
ほな、また。
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